目次

作曲経験ゼロ、楽譜も読めない状態からボカロ(ボーカロイドの略)のオリジナル曲を作成するまでの手順を紹介します。その上で、クオリティを上げるためのテクニックなどをまとめます。

はじめに

この記事は筆者syuiによる、VOCALOID作曲に関するTipsをまとめたものになります。

私の環境はWindows 10とmacを使用し、DTM(デスクトップ・ミュージック)のDAW(音楽アプリ)にはStuduio Oneを使います。また、ボーカロイド音源(音声ライブラリ)は初音ミクを使用します。UTAUでは桃音モモの音源を好んで使用します。

これは、初音ミク V3パッケージに付属した構成です。現在の最新バージョンは初音ミク V4Xが登場しています。

パソコンで作曲するのに必要なもの

パソコンで作曲するための総合アプリをDAWと言います。そして、パソコンで作曲(音楽制作)することをDTMと言います。

DAWには様々なアプリがありますが、有名なのはCubaseStuduio Oneです。

このようなアプリは様々な楽器の音を一定のタイミングで奏でることが出来ます。これによってBGM(バックグラウンド・ミュージック)を作成することが出来ます。

そして、そのBGM(曲)に歌を加えるなら人の声を出す事ができるボーカロイド音源が必要になります。

私の場合は、DAWで作ったBGMとボカロエディタで作った歌を合わせて一つの曲を作っています。

したがって、パソコンでボカロ曲を作曲するために必要なものはDAWとボーカロイド音源(+ボカロエディタ)ということになります。

現在のDAWにはボーカロイド音源と合わせるための機能が付いている事が多いです。私が使っているStuduio Oneもプラグインを使ってボカロエディタとの連携を強化しています。よって、この初音ミクV3のパッケージ一つのDAWでボカロ曲を作れます。

どうしても無料で作曲したい人は

DAWにStuduio One Freeを使い既存のMIDIを読み込みます。それを編集した後は、ボカロエディタにUTAUを使い、音声ライブラリにはフリーの桃音モモなどを使用して歌を作ります。最後に作成したBGMと歌をAudacityというアプリを使って合成すれば曲が完成します。

しかし、難易度は有料のDAWを使った場合と比べ遥かに難しいです。また、UTAUで正確な日本語を出すには高度なテクニックを要します。

それでも無料での作曲ができないわけではありません。

まずは、既存の曲のBGM(MIDI)とUTAUファイルを探してきて、作曲の手順を確認することから始めましょう。この記事でもサンプルファイルを配布しています。

ボーカロイドとは

ボーカロイド(VOCALOID)とは、人の音声から収録し、それをエディタで編集して自由に発音をさせることができる技術または、音源、設定されている擬似的キャラクターのことを指します。

このような音声ライブラリには、通常キャラクターが設定されており、それが歌手としての役割を果たします。

ボーカロイドのキャラクターには、初音ミクや鏡音リンなどが有名です。どちらもクリプトン社です。他にも多数のボーカロイドが存在しています。

ボーカロイド作曲入門

手順の確認

まずはじめに全体の流れを簡潔に見ていきたいと思います。更に、実践を兼ねて手順通りに進めば1つの曲ができあがるようになっています。わからない部分があれば、下記でより具体的な説明を行いますので、そちらで補完してください。

なお、作曲は個々がそれぞれのやり方で取り組んでいることが普通です。したがって、これは一例に過ぎないということは理解しておいてください。正解はありませんが、正解があるとすれば、それは自分に合うやり方かどうかです。

title url
リポジトリ https://github.com/syui/vocaloid
ソース https://github.com/syui/vocaloid/blob/master/t
ダウンロード https://github.com/syui/vocaloid/releases/tag/0.1

1 . Studuio Oneを起動して、BGMのWAVを読み込む

読み込む.wavファイルはGitリポジトリからクローンするかGitHubリリースからダウンロードしてください。これをメイン画面とします。

bgm.wav

$ git clone https://github.com/syui/vocaloid
$ cd vocaloid
$ git checkout test
$ ls bgm.wav

or

$ curl -OL https://github.com/syui/vocaloid/archive/0.1.zip
$ aunpack 0.1.zip
$ cd vocaloid-0.1/

注意点ですが、トラックを作成した上で読み込まなければなりません。そうでないとアプリが落ちます。

2 . ボカロエディタからMIDI、つまり.midファイルを読み込む

これをサブ画面とします。

t.mid

注意点ですが、ボカロとBGMのテンポを合わせましょう。

3 . ボカロエディタで歌詞を入力する

t.txt

基本的にはコピーして貼り付ければOKです。

4 . 再生してみて、問題がなければメイン画面から曲をエクスポートする

注意点ですが、ボリュームが赤で表示されるとクリッピングが発生している状態です。この場合、エクスポートが上手くいきません(ファイルを削除するか聞かれる)。したがって、各々のトラックボリュームを調整し、赤色で警告されないようにしましょう。

UTAU作曲の手順

UTAUでの作曲手順も紹介します。まずはじめに全体の流れを簡潔に見ていきたいと思います。更に、実践を兼ねて手順通りに進めば1つの曲ができあがるようになっています。わからない部分があれば、下記でより具体的な説明を行いますので、そちらで補完してください。

全体の流れとしては、UTAUを起動後、好きな音声ライブラリを読み込みます。フリーの音声ライブラリ(音源)には例えば、桃音モモ波音リツなどがあります。その後、連続音一括設定を使って設定を行い、歌詞を入れていきます。全範囲を選択して一気に入力することもできます。最後に、BGM曲とUTAUで作った歌をAudacityを使って合成します。

Name 特徴
桃音モモ NyanCatのBGMとして使われたことで有名。個人的には一番使いやすいと思っています。
闇音レンリ UTAU最新の音源の中では非常に聞きやすい声を出すと思います。
波音リツ 最も有名なUTAU音源の一つです。定番なのでよく見かけます。

まず.midをUTAUで読み込みます。音階ブロックがたくさん表示されます。次に、音源(桃音モモなど)を選択します。次に、C-aでブロックをすべて選択して、歌詞ファイル持ってきた歌詞を上の入力欄にペーストします。横にブロックのアイコンがありますがそれをクリックすることでブロックに入ります。再度、すべてのブロックを選択して連続音一括設定のプラグインを実行します。これでUTAUによる歌の作成手順は終わりです。後はそれぞれに調整していきましょう。

最後にUTAUで作成し、出力した歌の音声ファイルとBGM曲の音声ファイルをAudacityというWindows(or Linux)のフリーソフトで合成します。ここでも若干エフェクトをかけたり、音量を変更したり、スピードを調整したりといった変更は可能です。

作曲のためのアプリ

私の場合、作曲の元となるBGMの作成はiPhoneを使って行います。したがって、iOSアプリが多いです。

Name 用途 Type
Studuio One DAWとして総合作曲アプリ Windows,Mac
Cubase DAW Windows,Mac
Chordana Trackformer 音楽知識不要で作曲できるアプリ、HDMI形式で出力できる iOS
Chord Tracker 耳コピなどに便利なアプリ iOS
Beatwave ミュージック作成アプリ iOS
Vocaloid first これだけでボカロ曲を作れる iOS
Music Memos 録音アプリ iOS
Patatap キーボードで作曲 Browser
WaveTone メロディ解析アプリ Windows
Audacity 音楽合成アプリ Windows

動画の作成

Name 用途 Type
MMD モデルに動きをつけたりなど 3d model editer, hatsune miku
Aviutl エフェクトや歌詞、効果音、合成など movie editer, avi
aviutl_plus_20120619.zip これがないと拡張編集ができない aviutl plugin
L-SMASH Works これがないとaviを読み込めない aviutl plugin
o_disAlphaBlend 動画を透過しやすくなる、アクセサリに指定する mmd plugin
LiveLight.obj 音声波形をかっこよく表示 aviutl script, custom obj

全体の流れの確認

一般的にボカロ曲で使われている動画はMMDで作成されています。ここでもMMDで動画を作成します。

MMDというのは、Windowsのフリーソフトで、モデル(初音ミクなどの3Dキャラクター)にモーション(動き)をつけるソフトのことです。フレーム(動きの指定)を編集する以外にステージやカメラワークなども設定できます。

MMDでモデル、ステージを表示します。モーションを読み込みます。必要に応じてプラグインなどを使います。動画を透過しやすくするものなど色々あります。これは、後にAviutlで編集するときのことを考えます。カメラワークなども変えられます。

作成した動画はAviutlというフリーソフトを使って歌詞やエフェクトを加えられます。

動画を作ってみた感想

動画作ったのは初めてで、もっと他の作品を参考にしたほうが良かったのだと思うんだけど、私、動画はあまり見ないので、実際のボカロ動画がどんな感じなのかほぼ知らない。よって、全部自分の感性で作ったみたいな感じになった。今回作ってみたこともあって、若干、MMD動画に興味が出てきたので、今後、他の動画など見て参考にしていけたらなと思った。

まずMMDのフレーム編集が辛かった。フレームというのは、モデルに動きをつけることで例えば口の動きや手や足など、ようはダンス?のことなんだけど、そんな感じの振り付けをフレームで行う感じなのだけど、そもそもルールを把握するのにちょっと時間がかかった。ルールは簡単で後の時間軸に前もって動こうとする動きで付けていく感じになっていて、デフォルトのスタイルを決めて、それをコピーしたものをいくつか置いて調整することにした(説明書読んでませんので、これが正しいのかわからない)。例えば、待機時間のだいぶ先にある動きがあったとして、それをそのまま打ち込むと、スローの動きでその先に打ち込んだ動きに合わせるようになってしまうので、一旦、動きをリセットするために、先に打ち込んだ動きの直前に、デフォルトの待ちスタイルを持ってこなければならないとか、そんな感じです。

ここからはほとんどaviutlの解説です。

mmdで作った.aviを読み込もうとするも読み込めず。プラグインが足りなかったらしかったのと、動画コーデックが足りなかったらしかった。後者は必要ないかもしれないけど、先にインストールしてしまった。インストールしたのはCCCPというもので、正直、これ安全なのだろうかと思った。

L-SMASH Worksというプラグインを/pluginsに入れればいいだけだった。 L-SMASH Works

あと、拡張編集プラグインと言うものを導入しなければタイムライン、アニメーション、カスタムオブジェクトを付けられないので導入する。aviutlの公式プラグインにある。 aviutl_plus_20120619.zip http://spring-fragrance.mints.ne.jp/aviutl/

私は最新バージョンの/pluginsフォルダに入れたけど、本体込みでついてくるみたいで、そのままでも使えるし、拡張バージョンは設定がちょっと変えられてたりするらしい。

.aviを読み込めたんだけど、今度は/scriptが動かなかったのがなぜだろうと思ったけど、単にディレクトリが間違ってたみたいで、/plugins/scriptに入れなければならなかったみたいだった、自分の場合は。これは、アプリのルートディレクトリ以下にあるファイルに起因するらしく、特定のファイルが置いてあるところにscript/を置くらしい。多分。

次に、.aviを読み込んだのだけど、そもそもmmdで作った動画が透過されてないようで、編集の自由度が低かったので、o_disAlphaBlendというmmdプラグインみたいなものを使った。これはアクセサリに設定して、avi出力すればいい。これで出力される動画がaviutlで透過しやすくなった。 http://www.okoneya.ivory.ne.jp/mmd_files/

aviutlでの動画の透過は.aviを.mp4に変換して設定 > 拡張編集の設定(プラグインを入れないと表示されない) > タイムライン > メディアオブジェクトの追加(ない場合はプロジェクトを作成した後に追加する) > 動画ファイル > 添付ファイルみたいな項目から選択して入れる。

私の場合、モデルの背景にエフェクトを入れたかったのでそうしたけど、基本的にはmmdで作った.aviを基本にエフェクトを加えていく感じが一番良いのではないかとは思った。

次に、画像白一色を用意してタイムラインの一番上に設定。次にエフェクトを追加。次に動画(+クロマキー)で白を透過。これで上手く表示された。

使用したエフェクトはカスタムオブジェクトで/plugins/script/foo.objに置いたものを使う。/script/に置くファイルの拡張子はアニメなら.anm、カスタムオブジェクトなら.objなどとする。 http://madeinpc.blog50.fc2.com/blog-entry-1188.html

MMDで口パクを簡単に作る方法

こちらに書いてある情報ですが、MMDで口パクを作る時の方法です。

http://d.hatena.ne.jp/sabazushi000/20120223

簡単にはutauはvsqにエクスポートできるのでhdmiからutauに取り込んで、一括で歌詞を入れて、それをvsqにエクスポート、mmd(表情、リップシンク)で読み込むという手順です。

やってみましたが正直、これ機能してるのかなという感じだったので、これは使わず既存のモーションを参考にしつつ作りました。

で、自分が作った表情フレームは、めちゃくちゃ適当です。ここらへんの作業は面倒くさすぎなので、なんかいい感じのツールないかなあと思っています。

作曲の実践

saki

sakiという曲を作ってみました。 2017/05/03

$ curl -sLO https://raw.githubusercontent.com/syui/vocaloid/master/mp3/saki.mp3
$ mpv saki.mp3

この曲を作ってみたときにに思ったことなどをメモします。

久しぶりに作りました、かなりの初心者。イチからというか、全部自分で作ったので割りと面白かったです。できたと思ってもその後3回くらい修正、いや調整する羽目になりました。動画の方はモデルをお借りして、ステージもお借りして、既存のモーションを参考にしながら作りました。

  • ブロックは思い切って前後に動かしてみるとうまくいく。例えば、3つの塊とか意識するといいかもしれない。

  • 初音ミクの音源なんだけど、GEN(小)とPOR(大)の組み合わせで幼い声ぽいものが出せる事に気づいた。

  • 歌詞が死んでるけど、他に何も思い浮かばない、全く何も。正直、歌詞考えるの超苦手です。もう開き直って、同じような単語ばかりで作ろうとそう思ったのでした。とりあえず、色と音、星など。まあ、どれも好きな単語なんだけどね。

  • 作曲中に他の曲を聞いてみると、色々なことに気付かされる。その一つが引きと押しだった。サビの開始部分はBGMを一気に盛り上げ、声と合わせることと、サビだからといって継続してアップテンポが保たれるのかというとそうではなく、開始時から徐々に下げていく展開のものも多いというところ。そして、ポイントとしてはそれほど多くはないなと思ったのと、ハードルはそこまであげなくてもポイントを抑えておけば、そこそこ聞けるものを作れるんじゃないかなと思った。